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障害者の経済学
障害者の経済学

おすすめ度 :4.0
東洋経済新報社
参考価格: ¥ 1,575
価格: ¥ 1,575
 


カスタマーレビュー
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制度・概念の説明については十分(統計・運用実態の「詳細」については含まず) 2010-08-29 評価:3
著者の責任ではないが、制度改正があり、現行の「障害者自立支援法」の制度とは必ずしも合致しない記述も生じてしまっている。また、制度における「許認可」「実際の運営状況」「メリットとデメリットの両論併記」などもう少し突っ込んで行って欲しいところもあった。

障害者が社会的に生産性を持つこと・持てることは、本書に書かれている通り意義深いことである。しかしながら、障害者が社会参加するための「障害」が随所にあり、その至らなさを「福祉」よる是正によって理想に近づけるという「福祉という概念が存在する理由」についての記述も(経済学・経営学・商学的な視座で)やや欲しかった気がする。

著者は、本書を経済学の視座に基づく書籍と位置づけているが、基礎的な社会科学の分類にしたがえば「経営学よりの公共経済学」の視座に基づく書籍とした方が、より本書の位置づけが明瞭化するように思えた。制度や概念の説明は十分であり入門書としては良いと思う。ただし、統計・運用実態などの解析・検証については、他分野の書籍の活用も必要と考えられた。
 
斬新な切り口で、新しい発見が得られる良書 2010-08-20 評価:4
障害者を取り巻く現状や課題を経済学の観点から冷静に述べています。類書はあまりないように思われ、貴重な書籍ではないでしょうか。障害を持つ子供の親として、障害者の自立に向けた筆者の主張には、ほぼ100%同意します。障害者プロレスの話が紹介されていますが、タブー視して避けることや、特別扱いをすることからは何も生まれてこないと思います。最近、ソフトバンクモバイルが恋人同士がiphoneで手話で会話するCMを出しましたが、こういう取り組みが当たり前になるといいですね。
現状の課題についての理解は非常に深まりましたが、政策を初めとする具体的な改善の提言等が盛り込まれていれば、さらに充実した内容になったように思います。
 
障害者こそ経済を抜きには考えられない 2010-04-30 評価:4
障害者自立支援法と言う悪法は,名に偽りありで,障害者から自立を奪う法律だったが、
障害者こそ経済を抜きにはせいかつを考えられない存在である。
目をそむけるのではなく,この本のように真正面から,障害者の自立を考えねばならない。

なお、この著者の「おばさん」「寺」「大相撲」それらの経済学本も
お薦めである。
 
障害者問題の取っ掛かりにまず手にとって欲しい一冊 2008-04-02 評価:5
全体を通して、障害者問題一般についてこれから勉強してみたい方にとても読みやすい本です。

障害者福祉の書籍を分類すると主に、介護の専門書と、障害者福祉に関係する体験記や自叙伝の2つに分けられるように思います。どちらも障害者を取り巻く社会的問題について読みやすい内容とは言い難く、この分野に馴染みの薄い読者にとってはなお更のことです。前者は介護のプロや福祉業務に携わる人を対象としており、後者は、著者の自我が全面に押し出されている場合が少なくなからです。

一方、この障害者の経済学は、どちらにも当てはまらない新しいタイプの障害者福祉の書籍といっていえるのではないでしょうか。

著者の中島氏は、障害児の親という視点を離れ客観的な観点によりインタビュー調査を行い、障害者問題を経済学の観点から書き綴っています。

著者は、障害者の多くが、需要と供給に基づく市場経済の仕組みから離れた、税金を基本に日々の生活を支えられる社会システムの中で生活していることを紹介するほか、そのためにニーズ発信の機会が非常に少ないことなども取り上げています。

また、比較的閉鎖的な文化を持つ障害者福祉の分野でインタビュー調査を行なうことは容易ではないため、その点から考えても非常に価値のある一書だと思います。
 
新しい視点に☆4つ 2008-03-15 評価:4
経済学からみた障がい者という視点が興味深い本。著者も書いていたが、障がい者を取り巻くシステムを福祉や医療、教育の観点ではなく、経済学の観点から眺めてみるというのは今まで日本ではあまり見かけなかったように思う。そして、面白いだけではなく、障がい児・者の教育や福祉にどうしてお金がかかるのか、かける必要があるのか、ということを、障がい者について興味や知識がない人にも分かってもらいやすいという意味でも意義があるように思う。

もちろん、この考え方は例えばアメリカでは珍しい視点ではないし、多分グラント(科研費など、政府や色々な機関から支給される研究費)の申請書には日本でも強調されているんだろうと思うが、それが単行本になって、一般の人が手に取って読めるというのがいい。ただし、著者は経済学が専門の人なので、たまに障がいに関する記述が間違えていたり、ある視点がすっぽり抜けていたりはするので、全てを鵜呑みにすることはお勧め出来ない。それでも、手にとって色々なことを考えてみる価値はある1冊。

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