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あいの、うた (Holly Novels)
あいの、うた (Holly Novels)

おすすめ度 :3.5
蒼竜社
参考価格: ¥ 900
 


カスタマーレビュー
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才能を諦めた、その先 2009-07-20 評価:5
表紙イラストの「The end of youth」、切ないお話でした。
色恋においての切なさではなく、
夢を諦めざるを得なかった才能なき一人の男の喪失の切なさ。

名誉欲、自己顕示欲などから大切だったはずの人間を切り捨てた自分の未来。
若かった自分が今の自分を見て「なんでそんなところに居るんだ、もっと高い場所に居るはずなのに」
と嘆くであろう今おかれている望まぬ現実。

年をとってしまって色々夢見ながら、そして諦めながら生きてきて
こんなはずじゃなかったと何度も過去を振り返る主人公と私自身が重なり
とても切なく、
そんな主人公を出会った頃から変わらぬ気持ちで執着する小日向力の言葉ひとつひとつが、胸に響いてきました。

表題作「あいの、うた」も大変楽しめました。
主人公2人の心の重なり合いが少なく、恋愛(BL)ものとしては薄いかもしれませんが
ひとつひとつのエピソードで二人の心の向きが徐々に変わってゆくのが分かり面白かったです。
 
登場人物に乗り切れず。 2007-06-26 評価:2
私は、木原作品に初めて触れたのが「Don't worry mama」だったので、コミカルと超どシリアスをどちらも
得意技とする俊才である作者の影の部分を知ったのが「箱の中」「檻の外」でした。

どちらの作風も好きで、その時その時の自分の心理状態によって読む作品を区分し調整しているのですが、
こちらはどうにも話が暗い上に登場人物に感情移入しにくかったです。
まず最初の常識人×天才肌アーテイストは、二人共が究極的に冷めているリアリスト×イっちゃってる系
で、自分を彼らに置き換える事が出来ない。精神的にシンクロ出来ないんです。

次は天然天才的詩人っぽい年下×落ちぶれたアーティスト。ことらも上と全く同じ理由で
ドラマに付いていくことが不可能だったんですね。
しかしながら木原さんの文才は相変わらず繊細にして緻密。キャラクターの呼吸音一つまで鮮明に聞こえます。
だからこそ、同じ様な陰鬱としたストーリーを二つ立て続けに読まされて、いたたまれなくなってしまった
というのが本音です。

「箱の中」「檻の外」と違い、登場人物に精神的な成長が余り見られなかったのも苦しかった。
「こどもの瞳」はまだ救いがあったのですが…。ドラマがリアルを突き詰めていて現実感は素晴らしいので、
「現実社会なんてこんなもの」とドライに堪能出来る方にはおススメかもしれません。
…ここまでくると、BL的表現無しで通常文学として発表しても良いのではないでしょうか。
 
新刊でしたが… 2007-01-16 評価:2
以前の木原さんの書くリアリズムのある人間模様が今一つだったと思います。檻の中、箱の外やcoldシリーズのような物を期待していたのですが、残念でした。この作家さんは物凄く特徴のある、普通の人が書きたくない人間の暗黒部分を書くのが物凄く上手でそこがかえって良いのですが、余りにも淡々としていました。残念です。
 
何度も読み返したくなる物語。 2006-01-01 評価:5
 久々に、木原節が炸裂!という感じでした〜。前回の、Don't Worry Mamaシリーズもコミカルで面白かったですが、やはりこういう痛いけれど胸に響くお話が書けるのが木原先生ですね。特に二話目に収録されているThe End of Youthが好きです。高校時代と十年後の現在が交錯されるように描かれています。友人の弟であり、変わり者である力になぜか気に入られ、男同士なのに「死ぬほど好き」と迫られて流されながらも過ごす高校時代。不意に自分だけに舞い込んできたミュージシャンとしてのデビューというチャンスを得るために、バンドの仲間を裏切り、自分を一途に慕う力を「邪魔なんだよ」と切り捨てた過去。ひどいやつだけれど、一方でその心情も理解できないわけじゃない。そんな風に別のもっと輝かしいと思える場所を求めて、それまであったものを一刀両断にできるのも、やはり若さゆえなのでしょうか。なんだか、人間の弱さとか狡さとか、一方で純粋さ(ゆえの残酷さ)とかを見せられたような気がします。実際はこれほど純粋な生き方ができるわけはないよなあ、と思いながらも、どこかに力みたいなやつ一人くらいいないだろうか、などと思ってしまいました。途中けっこうイタイのですが、一体どうなるのだろう、と最後までどきどきしながら一気に読みました。クライマックスでは、本の帯にもあった「俺を愛してみいや」という力の言葉にKOされました(笑)。今回は痛さ「6」甘さ「4」くらいでしょうか?とはいっても、The end of Youthでは恋愛の痛みというよりも、生きていく上での痛みが非常によく描かれていたと思います。とっても良かったです。

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